コンクリート主任技士の試験対策として、今回は「配(調)合設計」の分野から、実際のコンクリート工場や現場での配合修正において絶対に避けて通れない「 aggregate(骨材)の湿潤・気乾状態と有効吸水率の補正計算」に関する問題をお届けします。
骨材の4つの含水状態の定義と、それに伴う水の移動(吸水・脱水)のメカニズムは、択一試験の計算問題のベースになります。
【問題】骨材の含水状態および配合補正に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- (1) 骨材の内部の空隙は水で満たされているが、表面には水が付着していない状態を「表面乾燥飽和状態(表乾状態)」といい、この状態の骨材の質量を基準として計画配合の計算を行う。
- (2) 骨材の内部の空隙の一部に水が含まれており、表面は乾燥している状態を「空気乾燥状態(気乾状態)」という。
- (3) 「気乾状態」にある骨材を用いてコンクリートを練り混ぜる場合、計画配合(表乾状態基準)通りのワーカビリティー(スランプ)を確保するためには、骨材がコンクリート中の水を吸い取る量(有効吸水率に相当する水量)だけ、練混ぜ水量を減らす補正を行わなければならない。
- (4) 骨材を100~110℃の乾燥機で恒量(質量が変わらなくなる状態)になるまで乾燥させた状態を「絶対乾燥状態(絶乾状態)」と呼び、この状態の質量に対する表乾状態との質量差の割合を吸水率という。
【正解】
(3)
【解説】
- (1) 正しい: 表面乾燥飽和状態(表乾状態)の定義です。配合設計の計算は、骨材自体がコンクリート中の水を吸いも吐き出しもしない、この「表乾状態」を基準として組み立てられます。
- (2) 正しい: 空気乾燥状態(気乾状態)の定義です。室内に放置された骨材などの状態で、内部の穴(空隙)が部分的に乾いています。
- (3) 誤り(これが正解): 非常に重要かつ、うっかり引っかかりやすい現場補正のロジックです。気乾状態の骨材は中身が部分的に乾いているため、コンクリートを練り混ぜた瞬間に、周囲のフリーな「練混ぜ水」を自らの中へとグングン吸い込んでしまいます(この吸い込む水量の割合を有効吸水率と呼びます)。何も補正せずにそのまま練り混ぜると、コンクリート全体の自由な水が減ってしまい、仕上がりのスランプがガタ落ち(硬く)してしまいます。したがって、計画配合通りの柔らかさを保つためには、骨材に吸い取られる分を見越して、あらかじめ「練混ぜ水量を増やす(プラスする)」補正を行わなければなりません。「減らす」とした記述が誤りです。
- (4) 正しい: 絶対乾燥状態(絶乾状態)の定義と、吸水率の定義に関する正しい記述です。吸水率は「絶乾質量」を分母として計算します。
要点チェック(現場配合補正の水の増減):
- 骨材が濡れている(湿潤状態) ➔ 表面水を持っているので、水は減らす。
- 骨材が乾いている(気乾・絶乾状態) ➔ コンクリートの水を吸うので、水は増やす。※ 実務では「砂が濡れていて水を減らす補正(表面水率補正)」が圧倒的に多いですが、試験ではあえて逆の「乾いている骨材(気乾状態)」を出して混乱を誘う問題が頻出します。
骨材の状態(絶乾・気乾・表乾・湿潤)の4つのイメージと、水がどちらに移動するか(骨材へ入るのか、骨材から出てくるのか)を物理的にイメージできるようにしておきましょう!