問題(空気量)

コンクリート主任技士の試験対策として、今回は「配(調)合設計」および「施工」の分野から、午後択一の計算問題の定番であり、現場の品質管理でも必須となる「空気量変化に伴う配合補正(空気量補正)」に関する問題をお届けします。

コンクリート中の空気量が増減した際、フレッシュおよび硬化後の諸性質(スランプや強度)に与える影響と、それに伴う容積計算の修正ルールは超重要です。

【問題】コンクリートの空気量および空気量の変化に伴う配合補正に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • (1) 一般に、コンクリート中の空気量が 1% 増加すると、スランプは2~3cm程度大きくなり、圧縮強度は 4~6%程度低下する。
  • (2) 配合設計における絶対容積の計算において、空気量が計画値より増加した場合、コンクリート1㎥あたりの総容積を正しく1㎥(1,000L)に調整するためには、増えた空気の容積と同等の絶対容積だけ「細骨材(砂)の量を減らす」補正を行うのが一般的である。
  • (3) AEコンクリートにおいて、空気量を適正に確保することは、硬化後の耐凍害性(凍結融解抵抗性)を向上させるだけでなく、フレッシュコンクリートのワーカビリティー(流動性や材料分離抵抗性)を高める上でも極めて有効である。
  • (4) 練混ぜ水に含まれる不純物や有機物、あるいは使用するフライアッシュの「未燃カーボン」の量が多くなると、AE剤の有効成分が吸着されてしまうため、同じAE剤の添加量であっても空気量は著しく増加する傾向にある。

【正解】

(4)

【解説】

  • (1) 正しい: 空気量が諸性質に与える影響の基本数値です。空気泡は「ベアリング(潤滑材)」の役割を果たすためスランプを大きくしますが、内部の空隙(穴)になるため強度は低下します。「1%増でスランプ2〜3cm増、強度4〜6%減」という目安は実務・試験ともに必須の知識です。
  • (2) 正しい: 空気量補正における絶対容積計算のルールです。空気量が予定より多くなった(例えば 4.5% の計画が 5.5% になった)場合、そのままでは 1㎥(1,000 L)の枠から 1%(10 L)分あふれてしまいます。この容積を調整する際、セメントや水、粗骨材の量を動かすと強度や品質のバランスが崩れるため、最も影響の少ない「細骨材(砂)の絶対容積を減らす」ことで合計 1,000 L に合わせるのが原則です。
  • (3) 正しい: AEコンクリートのメリットに関する正しい記述です。微細な独立気泡(エントレインドエア)がクッションとなり、凍結時の膨張圧を逃がす(耐凍害性向上)ほか、ボールベアリングの効果で流動性を高め、材料分離(ブリーディング)も抑制します。
  • (4) 誤り(これが正解): 超頻出の引っ掛けポイントです。フライアッシュに含まれる「未燃カーボン(燃え残った炭素成分)」は、AE剤(界面活性剤)を自らの表面に強力に吸着(ホールド)してしまう性質があります。AE剤がカーボンに吸着されると、本来の役割である「泡を立てる機能」が働かなくなるため、同じAE剤の量では空気量は「著しく低下(減少)」します。したがって、「増加する」とした記述が誤りです。

要点チェック(空気量と未燃カーボンの関係):

  • 未燃カーボン ➔ AE剤を吸着 ➔ 泡が出なくなる(空気量減少)
  • このため、フライアッシュを使用する際は、未燃カーボンの指標である「強熱減量(Ignition loss)」が低いものを選ぶか、カーボン専用のAE剤(吸着対応型)を選定する必要があります。
  • 容積補正の主役: 空気量の増減のしわ寄せ(調整)は、必ず**「細骨材(砂)」**で行う。

午後択一の計算問題では、「空気量が 1% 増えたので、砂の質量を何 kg 減らせばよいか?」といった絶対容積から質量への換算問題がよく出ます。「増えた空気の体積(L)× 砂の表乾密度 = 減らすべき砂の質量(kg)」のロジックを立てられるようにしておきましょう。

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