問題(ポンプ圧送)

コンクリートポンプによる圧送工法、配管計画および圧送負荷の算定に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. コンクリートポンプの機種選定において、ピストン式は吐出圧力が高く高所や長距離への圧送に適しており、スクイズ式は構造が簡便で吐出量の微調整が容易であるが、吐出圧力が比較的低いため、小規模な建築工事や軟練りコンクリートの近距離圧送に適している。
  2. 輸送管の配管計画において、同一吐出量でコンクリートを圧送する場合、配管の呼び径を大きくすると管内壁の潤滑層に対する流動断面積比率が有利になり、単位長さあたりの管内圧力損失(管内抵抗)は小さくなる。
  3. 土木学会の指針において、コンクリートポンプの必要吐出圧力は、水平管および異形管等の水平換算距離から算定された最大圧送負荷の1.25倍以上の最大吐出能力をもつ機種を選定することとされており、上向き垂直配管1mあたりの水平換算係数の値は、配管径が大きくなるほど小さくなる。
  4. 高低差のある配管において、急勾配の下向き配管や下向き垂直配管では、コンクリートが自重により管内を先行落下して空隙や空気溜まりが生じ、材料分離を引き起こして閉塞しやすいため、上向き配管に比べて閉塞防止対策(管端末の絞りや屈曲部の設置等)により一層配慮する必要がある。

【正解と解説】

正解:3

  • 選択肢1:適当
    • ピストン式:油圧シリンダー等でピストンを往復駆動して圧送する方式。吐出圧力が高く、長距離圧送、高所圧送、硬練りコンクリートや高強度コンクリートの圧送に適しており、現在の主流です。
    • スクイズ式:円筒型ドラム内のゴムチューブをローラーで絞り出して圧送する方式。構造が簡単で脈動が少なく吐出量の微調整が容易ですが、吐出圧力が低いため、小規模工事や軟練りコンクリートの近距離圧送に限られます。
  • 選択肢2:適当
    配管内のコンクリート流動は、管壁近傍に形成されるセメントペースト等の「潤滑層」における滑りによって生じます。同一の吐出量であれば、配管の呼び径を大きくするほど流速が低下し、単位長さあたりの管内圧力損失(N/mm²/m)は小さくなります(例:125A は 100A よりも管内抵抗が約 30~40% 低減)。
  • 選択肢3:不適当
    土木学会「コンクリートのポンプ施工指針」において、上向き垂直配管 1m あたりの水平換算係数は、管径が大きくなるほど管内に保持されるコンクリートの自重(鉛直荷重)が増大するため、「配管径が大きくなるほど大きく」なります。
    • 100A(4インチ管):3
    • 125A(5インチ管):4
    • 150A(6インチ管):5
      記述は「配管径が大きくなるほど小さくなる」としているため誤りです。なお、最大圧送負荷に対する安全率として 1.25倍以上 の最大吐出圧力をもつポンプ機種を選定する規定は適当です。
  • 選択肢4:適当
    下向き配管や下向き垂直管では、重力加速度によってコンクリートが先行落下し、管内が不充填となって空隙やエアポケットが発生します。これにより、管内でコンクリートが激しく衝突・分離を起こして粗骨材が噛み合い(アーチング)、上向き配管よりもかえって閉塞(ブロッキング)事故が生じやすくなります。そのため、下端部に屈曲管(ベント管)を設けて背圧をかけるなどの落下防止対策が必要です。

💡 本日の重要チェックポイント

  • 水平換算係数の標準値(土木学会 ポンプ施工指針)
    • 上向き垂直管(1m あたり):
      • 100A→3
      • 125A→4
      • 150A→5(大径管ほど自重増により係数は大)
    • テーパ管(1m あたり):3
    • $90^\circ$ ベント管(曲率半径 1m):6(管1本あたり)
    • フレキシブルホース(実長 5~8m):20(実長にかかわらず一律 20m 換算)
  • ポンプ圧送の重要管理事項
    • ポンプ選定:最大吐出圧力 ≥ 計算圧送負荷 ×1.25
    • 先送りモルタル:配管内壁を湿潤・潤滑にするために最初に通すが、型枠内への打込みは禁止(必ず廃棄)。
    • 配管径の選定:粗骨材最大寸法 20~25mm では 100A(4インチ)以上、最大寸法 40mm では 125A(5インチ)以上。

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