コンクリート主任技士の試験対策として、今回は「配(調)合設計」および「施工」の分野から、実務の品質管理で毎日のように行われ、記述・択一ともに計算の基本となる「細骨材の表面水率を用いた『現場配合』への修正計算」に関する問題をお届けします。
計画配合(表乾状態)から、実際の現場で砂が濡れている(湿潤状態)ことを想定した補正計算のロジックは必ずマスターしておきましょう。
【問題】コンクリートの現場配合への修正計算に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
計画配合におけるコンクリート1㎥あたりの各材料の単位量は以下の通りとする。
- 水(W):160kg/㎥
- セメント(C):320kg/㎥
- 細骨材(S):800kg/㎥
- 粗骨材(G):1,000kg/㎥
なお、使用する細骨材の表面水率は 5.0% とし、粗骨材は表面乾燥飽和状態(表面水率 0%)にあるものとする。
- (1) 細骨材が湿潤状態であるため、細骨材 1㎥あたりに含まれる表面水量は 40 kg である。
- (2) 現場配合において、実際に計量すべき湿潤状態の細骨材の単位質量は 840 kg/m³ である。
- (3) 細骨材から持ち込まれる表面水量を差し引いた、現場配合における実際の練混ぜ水量は 120 kg/m³ である。
- (4) 表面水率の補正を行った結果、現場配合における実際の水セメント比(W/C)は、計画配合時の 50% から 37.5% に低下する。
【正解】
(4)
【解説】
- (1) 正しい: 表面水量の計算です。表面水率は「表乾質量」を基準(分母)とするため、以下の計算で求められます。表面水量=細骨材の表乾質量×表面水率=800kg×0.05(5.0%)=40kg
- (2) 正しい: 現場での細骨材の計量値です。砂が濡れている分、表乾質量に表面水量を足して重く計量しなければ、砂の絶対量が不足してしまいます。湿潤細骨材の質量=800kg+40kg=840kg/㎥
- (3) 正しい: 現場での練混ぜ水量(注水量)の計算です。細骨材から 40 kg の水がコンクリート内に持ち込まれるため、その分だけプラントのメタリング水(注水量)を減らします。現場での練混ぜ水量=160kg-40kg=120kg/㎥
- (4) 誤り(これが正解): 引っ掛け問題です。現場配合補正とは、「骨材が濡れていても、コンクリートの中に入ったときには計画配合通りの水セメント比(50%)と材料バランスになるように、外側の計量値を調整する作業」です。したがって、補正を行ったからといって、コンクリート自体の実質的な水セメント比は 50% のまま変わりません(120 kg の練混ぜ水 + 砂から出る 40 kg の水 = 計 160 kg の水となるため)。「37.5%に低下する」とした記述は誤りです。
要点チェック(現場配合補正の超原則):
- 補正の目的: 現場の骨材の含水状態がどうあれ、最終的なコンクリート内の**「水セメント比」や「骨材の絶対容積」を計画配合と完全に一致させるため**に行う。
- 計算の分母: 表面水率の分母は必ず**「表乾質量」**。
- 水と砂のトレード: 砂から出てくる水の分だけ、「水は減らし、砂は増やす」。動かす質量(kg)はどちらも同じ(今回の場合は 40 kg)。
午後択一の計算問題では、この「40 kg を水から引いて砂に足す」という基本ステップがすべての応用(粗骨材も濡れているパターンなど)の土台になります。頭の中で水が移動するイメージを完璧にしておきましょう。