コンクリート主任技士の試験対策として、定期配信の本日は「試験・検査・品質管理」の分野から、近年の試験で評価方法の解釈が深く問われる「コンクリートの圧縮強度試験における合格判定基準(JIS A 5308および土木学会)」に関する問題をお届けします。
構造物の安全性を担保するための強度試験結果の受け入れ判定(1回の試験結果と3回の平均値)のルールは、択一試験での計算・数値チェックの定番です。
【問題】レディーミクストコンクリートの圧縮強度試験結果に基づく合格判定基準(JIS A 5308)に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- (1) コンクリートの圧縮強度試験における「1回の試験結果」とは、同一の試料から採取した3個の供試体の圧縮強度の平均値を指す。
- (2) JIS A 5308 において、荷卸し地点における1回の試験結果は、購入者が指定した呼び強度の値の 85% 以上でなければならない。
- (3) JIS A 5308 において、3回の試験結果の平均値は、購入者が指定した呼び強度の値以上でなければならない。
- (4) 1回の試験で得られた3個の供試体の圧縮強度のうち、最大値と最小値の差が平均値の 15% を超えた場合、その試験結果は無効となり、ただちにコンクリート構造体全体を不良として撤去しなければならない。
【正解】
(4)
【解説】
- (1) 正しい: 「1回の試験結果」の定義です。現場で採取した生コンから3本の供試体(供試体A・B・C)を作製し、材齢28日などで圧縮強度試験を行った「3本の平均値」を「1回の試験結果」と呼びます。
- (2) 正しい: 1回の判定基準(下限値)に関する正しい記述です。運悪く強度がやや低めに出た回であっても、呼び強度の 85% 以上を確保していなければ不合格(不受け入れ)となります。
- (3) 正しい: 連続する試験結果の平均値基準です。3回の試験結果(計9本の供試体データ)の平均値は、呼び強度の値(100%)以上でなければなりません。
- (4) 誤り(これが正解): 試験結果のばらつき処理に関する記述の誤りです。3個の供試体強度のばらつき(最大値と最小値の差など)が大きい場合は、試験方法や供試体作製の不備(端面整形の不良や気泡の噛み込みなど)が疑われます。この場合、JISの規定に基づいて「その1回の試験結果(データ)を無効として再試験や別の評価基準を検討する」などの手続きを行いますが、それだけで「ただちに構造体全体を不良として撤去する」という措置をとるわけではありません。現場では非破壊試験やコア採取による構造体コンクリート強度の確認などの判定プロセスへ移行します。
要点チェック(受入検査の合格判定基準):
- 1回の試験結果(3本平均): 呼び強度の 85% 以上
- 3回の試験結果の平均: 呼び強度の 100% 以上
受入検査のルール(85%と100%)は、午後択一の計算問題でも「得られた強度のデータ一覧から合格か不合格かを判定させる問題」としてよく出題されます。数値とセットで判定基準の考え方をマスターしておきましょう。
本日も一日、ご安全に!合格に向けて着実に歩みを進めていきましょう。