コンクリート主任技士の試験対策として、本日は「施工・品質管理」の分野から、実際の打設現場における充填性や強度不足に直結し、午後択一・記述ともに頻出の「コンクリートの締固め(バイブレータの操作・打重ね)と沈下ひび割れ対策」に関する問題をお届けします。
棒状バイブレータ(内部振動機)の適切な使用方法や、打重ね時間の間隔・挿入深さの数値規定は、現場での品質確保において極めて重要な知識です。
【問題】フレッシュコンクリートの締固めおよび打重ねに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- (1) 棒状バイブレータ(内部振動機)による締固めにおいて、バイブレータの挿入間隔は 50 cm 以下とし、コンクリートの上面がほぼ水平になり、表面にセメントペーストが浮き出るまで均等に行う。
- (2) 2層以上に分けてコンクリートを打ち重ねる場合、上層と下層の一体化を図るため、棒状バイブレータの先端を下層のコンクリート中に 10 cm 程度挿入して締め固めなければならない。
- (3) コンクリートの打重ね時間の間隔(許容打ち重ね時間間隔)は、コールドジョイントの発生を防ぐため、外気温が 25℃ を超える場合は 2.0 時間以内、25℃ 以下の場合は 2.5 時間以内を目安とする。
- (4) 梁やスラブなどの水平部材と、それに連続する柱や壁などの鉛直部材を一体に施工する場合、柱や壁の「コンクリートの沈下」に伴うひび割れを防止するため、柱・壁の打設直後に時間を置かずにただちに梁・スラブのコンクリートを打ち重ねる必要がある。
【正解】
(4)
【解説】
- (1) 正しい: 棒状バイブレータの基本的な挿入間隔・締固め終了の目安に関する正しい記述です。バイブレータの有効半径を考慮し、「挿入間隔は 50 cm 以下」、過振動による材料分離を防ぎつつ空気を抜くため「表面にペーストが均一に浮き出るまで」締め固めます。
- (2) 正しい: 上下層の一体化(コールドジョイントの防止)に関する正しい記述です。先に打ち込んだ下層がまだ可塑性(柔らかさ)を保っているうちに、バイブレータの先端を「下層へ 10 cm 程度」突き刺すことで、接合面の空隙をなくし完全に一体化させます。
- (3) 正しい: 許容打重ね時間間隔の基本数値(土木学会示方書・JASS 5等)です。
- 外気温 25℃ 超: 2.0 時間以内(気温が高いと凝結が早まるため)
- 外気温 25℃ 以下: 2.5 時間以内この時間を超えると先に打ったコンクリートの凝結が進み、境界が一体化せず「コールドジョイント(致命的な欠陥)」になります。
- (4) 誤り(これが正解): 実務・試験ともに超重要かつ超定番の施工手順に関する引っ掛けです。高さのある柱や壁に打ち込まれたコンクリートは、打設後しばらくの間、自重によって徐々に沈下していきます(沈下現象)。この沈下が終わらないうちに上の梁やスラブを続けて打ってしまうと、柱と梁の接合部付近で引きちぎられるような「沈下ひび割れ」が発生します。 そのため、柱や壁のコンクリートを打ち終えた後は、「コンクリートの沈下がほぼ終了するまで(1〜2時間程度)待ち時間(インターバル)を置き」、沈下を確認・沈下ひび割れの再振動(タンピング等)を行った後に、梁やスラブの打設に移行しなければなりません。「ただちに打ち重ねる」とした記述が明確な誤りです。
要点チェック(締固めと打重ねの数値・原則):
- バイブレータ挿入間隔: 50 cm 以下
- 下層への挿入深さ: 10 cm 程度
- 許容打重ね時間間隔: 25℃超 ➔ 2.0 時間 / 25℃以下 ➔ 2.5 時間
- 柱・壁と梁・スラブの継ぎ目: 沈下待ち時間を必ず置く(沈下ひび割れ防止)。
「沈下ひび割れ」は、鉄筋の直上や部材強度の変化点で発生しやすく、打設直後〜数時間以内に適切な再振動(リバイブレーション)やタンピングを行うことで消去できます。施工計画の小論文でも非常によく使う対策ですので、理由(なぜ待つのか)とセットで押さえておきましょう!