問題(セメント)

コンクリート主任技士の試験対策として、今回は「材料」の分野から、実務でも試験でも非常に重要な「セメントの化学組成と水和熱・特性」に関する問題をお届けします。セメントのクリンカー鉱物の特徴は、記述問題や配合選定の問題の基礎になるので確実にマスターしておきましょう。

【問題】

セメントのクリンカー鉱物に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

(1) エーライト(C₃S)は、水和反応の速度が比較的速く、コンクリートの初期強度の発現に大きく寄与する。

(2) ビーライト(C₂S)は、水和反応の速度が遅く、長期にわたって強度を発現するため、低熱ポルトランドセメントに多く含まれている。

(3) アルミネート相(C₃A)は、クリンカー鉱物の中で最も水和熱が大きく、水和反応も極めて速いため、凝結を調節するために適量の石膏が添加される。

(4) フェライト相(C₄AF)は、水和速度が非常に遅く、水和熱も小さいため、収縮ひび割れを抑制する目的で中庸熱ポルトランドセメントではその含有量を高めている。

【正解】

(4)

【解説】

(1) 正しい: エーライト(けい酸三カルシウム:C₃S)は、普通ポルトランドセメントの主成分(50〜60%)であり、初期強度(数日〜数週間)の発現を担います。

(2) 正しい: ビーライト(けい酸二カルシウム:C₂S)は、反応が穏やかで長期強度(28日以降)の伸びに寄与します。水和熱が低いため、マスコンクリート等に使われる「低熱ポルトランドセメント」では、このビーライトの含有量を高めています。

(3) 正しい: アルミネート相(アルミン酸三カルシウム:C₃A)は、水と触れると一瞬で凝結する(フラッシュセットを起こす)ほど反応が速く、水和熱も最大です。これを抑えて扱いやすくするために、セメント製造時に石膏(硫酸カルシウム)を加えて反応をコントロールしています。

(4) 誤り(これが正解): フェライト相(鉄アルミン酸四カルシウム:C₄AF)についての記述ですが、中庸熱ポルトランドセメントで制限(含有量を減らすよう制御)されるのは、これではなくアルミン酸三カルシウム(C₃A)です。中庸熱セメントは、水和熱を抑えるために発熱の大きい アルミン酸三カルシウム(C₃A)や けい酸三カルシウム(C₃S)を減らし、けい酸二カルシウム(C₂S)を増やしたものです。鉄アルミン酸四カルシウム:C₄AFの量をあえて意図的に高めるような制御は中庸熱セメントの主目的ではありません。

【要点チェック】

クリンカー鉱物の4大成分の特徴

水和熱の大きさ・反応速度の順: C₃A>C₃S>C₄AF> C₂S

長期強度の主役: C₂S(低熱セメントに多い)

初期強度の主役: C₃S(早強セメントに多い)

この4つの鉱物の特徴と順番は、セメントの種類の特性(早強、中庸熱、低熱など)を理解する上で絶対に欠かせない知識です。しっかり整理しておきましょう!

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