現場受入れおよびプラント製造におけるスランプ・空気量のリアルタイムAI予測技術と、実務に直結するJIS A 6204(コンクリート用化学混和剤)の改正動向、ならびにCO2固定型コンクリート(CCUS)を支える混和技術をピックアップしました。
1. スマホ撮影による荷卸し生コンの全量スランプ計測AIの実用化
- 概要: 生コン受入れ検査の省人化と品質保証の高度化を目的に、アジテータ車のシュートから流下する生コンクリートをスマートフォンで撮影するだけで、スランプをリアルタイム自動計測するシステムが実用化・全国展開されています。
- 技術的ポイント:
- 全量管理への転換: 従来の150m³ごとの抜き取りスランプ試験に対し、ディープラーニングを用いた映像解析により、荷卸しされるコンクリート全量のスランプ変動を連続的に監視可能。
- 現場適応性: 特殊な大型センサーではなく一般的なスマートフォン端末を活用し、遠隔監視や異常時のアラート連携を実現しています(生コンクリート品質管理システム『AIスランプトラッカー』- PR TIMES)。
2. 生コン製造プラントにおけるAI品質即時予測(スランプ・空気量)
- 概要: プラントのミキサー練混ぜ工程において、オペレーターの目視や練混ぜ負荷電流値の経験的判断を代替・支援するAIシステムの導入が進んでいます。
- 技術的ポイント:
- スランプ・空気量の同時予測: 原材料の表面水率や温度などの変動要因に対し、練混ぜ動画像やプラントセンサーデータを統合解析することで、出荷前にスランプ値および空気量を瞬時に予測する技術が開発されています(AIで生コンの品質を即時予測する独自技術を開発 – UBE三菱セメント株式会社)。
- 全バッチの品質可視化: 出荷全バッチの性状をデジタルデータとして記録・管理し、品質ばらつきの最小化と配合補正の迅速化に貢献しています(AIスランプ予測システム PreSLump AI® – パシフィックシステム)。
3. JIS A 6204「コンクリート用化学混和剤」改正に伴う実務動向
- 概要: コンクリート用化学混和剤の基本規格である「JIS A 6204」の改正版が公示され、性能規定化や新たな評価項目の整理に伴う実務・運用対応が具体化しています。
- 技術的ポイント:
- 規格改定と運用対応: コンクリート用化学混和剤協会等より、改正に伴う建築基準法に基づく大臣認定の取り扱いや、新しく制定された混和剤の「外観」評価基準に関する周知・対応ガイドラインが示されています(JIS A 6204 2026年改正について – コンクリート用化学混和剤協会)。
- 環境配慮型材料への適合: 混合セメントや副産物微粉末の使用拡大に合わせた評価基準の整合が進められており、混和剤選定における品質管理責任者の確認事項が整理されています。
4. CO2固定・CCUSコンクリートにおける混和材料の役割
- 概要: セメント使用量を大幅に削減し、製造工程や養生工程でCO2を炭酸塩(炭酸カルシウム等)として鉱物固定する環境配慮型コンクリートの開発が加速しています。
- 技術的ポイント:
- 流動性と初期強度発現の両立: クリンカーフリーや高炉スラグ多量置換の系では、水和反応の遅延や粘性増大が課題となるため、専用の高性能AE減水剤や特殊硬化促進剤の併用が不可欠となっています。
- 実構造物への適用拡大: 炭酸塩鉱物化によってCO2排出量をマイナスにするカーボンリサイクル・コンクリートの現場実証が進展しています(環境配慮コンクリート「T-eConcrete®/Carbon-Recycle」- 大成建設)。