問題(温度ひび割れ)

おはようございます。本日のコンクリート主任技士試験対策問題をお届けします。

本日は、実務・試験ともに頻出の「マスコンクリートの温度応力および温度ひび割れ制御」に関する問題です。

問題

マスコンクリートの温度応力および温度ひび割れの制御に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 部材内部と表面部の温度差によって生じる内部拘束応力は、水和発熱に伴う昇温過程において、放熱により温度降下が先行する部材表面部に引張応力、中心部に圧縮応力が発生する。
  2. 岩盤や既設コンクリートなどの外部拘束を受ける構造物では、最高温度到達後の降温過程において、部材全体の熱収縮が拘束されることで断面全体に引張応力が発生し、貫通ひび割れとなりやすい。
  3. 日本コンクリート工学会(JCI)の「マスコンクリートのひび割れ制御指針」において、温度ひび割れ指数(Icr)は、対象材齢における主引張応力に対する割裂引張強度の比(強度/応力)で定義され、温度ひび割れの発生を防止する場合の限界値は1.85以上(発生確率5%以下)とされている。
  4. 外部拘束が強く作用する部材下部(岩盤や既設コンクリートとの接合部近傍)においては、拘束による引張応力を低減するため、1回あたりの打込みリフト高さを上層部よりも大きく設定するのが望ましい。

【正解と解説】

正解:4

  • 選択肢1:適当
    内部拘束応力は、部材中心部と表面部の温度差によって生じます。昇温過程(材齢初期)では、外気に接する表面部からの放熱によって表面付近の温度上昇が抑えられる一方、中心部は蓄熱して高温になります。この結果、膨張しようとする中心部(圧縮応力)に対し、表面部が引き伸ばされて表面部に引張応力(表面ひび割れ)が発生します。
  • 選択肢2:適当
    外部拘束応力は、最高温度に達した後の降温過程において、コンクリート全体が冷却・収縮しようとする変形が既設コンクリートや基礎岩盤によって拘束されることで生じます。断面全体にほぼ一様な引張応力が作用するため、部材を貫通するひび割れに成長しやすい特徴があります。
  • 選択肢3:適当
    温度ひび割れ指数 $I_{\mathrm{cr}}$ は、有効材齢 te における割裂引張強度 ft(te) を主引張応力 σt(te) で除した値(Icr = ft / σt)です。JCI指針において、温度ひび割れの発生を防止する場合の目標値は 1.85以上(ひび割れ発生確率5%以下)と規定されています(有害なひび割れを制限する場合は1.5以上)。
  • 選択肢4:不適当
    外部拘束度が高い基礎岩盤や既設コンクリートの近傍(部材下部)では、1回あたりの打込みリフト高さを大きくすると発熱量および温度降下量が過大となり、発生する引張応力が著しく増大します。そのため、外部拘束が大きい箇所ではリフト高さを小さく(低く)設定して1回あたりの温度上昇を抑えるのが原則です。

💡 本日の重要チェックポイント

  • 内部拘束 vs 外部拘束の比較
    • 内部拘束:材齢初期(昇温時)、中心と表面の温度差、表面に引張応力(非貫通ひび割れ)
    • 外部拘束:材齢中期〜長期(降温時)、岩盤・既設躯体による拘束、断面全体に引張応力(貫通ひび割れ)
  • 温度上昇量の目安:単位セメント量 10kg/㎥ の増減に対して、最高温度上昇量は約 1℃ 変化します。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA