今回は「配合(調合)設計」の分野から、計算問題や施工計画の基礎となる「コンクリートの配合強度(f’r)の決定方法」に関する問題をお届けします。構造体強度補正値(S)や、品質基準強度、設計基準強度(f’c)との関係性は、記述問題でも択一問題でも絶対に落とせない超重要項目です。
【問題】
コンクリートの配合強度の決定に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
(1) コンクリートの配合強度(f’r)は、設計基準強度(f’c)に、構造体強度補正値(S)および材料や施工のバラツキに応じた割増し(k ・σ)を考慮して決定される。
(2) 構造体強度補正値(S)は、標準養生された供試体の強度と、実際の構造体コンクリートの強度との差を補正するための値であり、一般に打込みから28日までの予想平均気温に応じて定められる。
(3) 配合設計において、コンクリートの圧縮強度のバラツキを表す標準偏差(σ)の値は、過去の製造実績や管理状態が不明な場合、一般に 2.5 N/ ㎟として計算する。
(4) 設計基準強度(f’c)が 24 N/㎟、構造体強度補正値(S)が 3N/㎟ の場合、品質基準強度(f’q)は 27N/㎟となる。
【正解】
(3)
【解説】
(1) 正しい: 配合強度 (f’r) は、構造体での強度低下を見込んだ「構造体強度補正値(S)」と、現場や工場のバラツキ(標準偏差σと係数 k)をカバーする割増しを加えて計算します。
(2) 正しい: 構造体コンクリートは、理想的な環境で水中で育てられる「標準養生供試体」よりも強度が低めに出やすいため、この差を補正するのが S 値です。気温が低い時期(冬期)などはセメントの反応が遅れるため、S 値を大きく(例えば 6N/㎟などに)設定します。
(3) 誤り(これが正解): 過去のデータがなく管理状態が不明な場合、標準偏差(σ)は安全側(バラツキが大きいと仮定)に見て、一般に 3.5N/㎟または配合強度の10%程度(JASS 5などの規定による)とします。2.5N/㎟という数値は、かなり管理状態が極めて良好な工場でないと適用できない小さな値です。
(4) 正しい: 「品質基準強度(f’q)= 設計基準強度(f’c)+ 構造体強度補正値(S)」という関係が成り立ちます。したがって、24 + 3 = 27N/㎟となり、記述は正しいです。実際の配合強度は、この品質基準強度(f’q)に対してさらにバラツキの割増しを行います。
【要点チェック 】
品質基準強度(f’q) = 設計基準強度(f’c) + 構造体強度補正値(S)> * 配合強度(f’r) は、品質基準強度に「バラツキの割増し」を足したもの。
実績不明時の標準偏差は 3.5N/㎟など、大きめの数値で安全側に見る。
強度の算出フロー(設計基準強度 ➔ 品質基準強度 ➔ 配合強度)のステップは、実務の配合計画書をチェックする際にも必須の知識です。それぞれの意味をしっかりと整理しておきましょう!