コンクリート主任技士の試験対策として、今回は「施工・劣化」および「構造」の分野にまたがる超重要テーマ「コールドジョイント」に関する問題をお届けします。コールドジョイントの発生原因、構造物への影響、および防ぐための施工管理基準(許容打重ね時間間隔)は、択一試験はもちろん、記述式(論文)でも必須の知識です。
【問題】
コンクリートのコールドジョイントとその発生防止に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
(1) コールドジョイントとは、先に打ち込まれたコンクリートと後に打ち込まれたコンクリートの間に、一体化が妨げられた不連続な層(継ぎ目)が生じる現象をいう。
(2) コールドジョイントが発生した部分は、構造物としての強度(せん断強度など)が低下するだけでなく、水密性が損なわれ、将来的に鉄筋の腐食や中性化を早める原因となる。
(3) 土木学会示方書において、コンクリートの打込み中における許容打重ね時間間隔の原則は、外気温が 25℃ 以下の場合は 2.5時間以内、25℃ を超える場合は 2.0時間以内と規定されている。
(4) 打重ねの際に、先に打ち込まれたコンクリートの凝結が始まっていたとしても、上層のコンクリートを打ち込んだ後に棒状バイブレータを下層のコンクリート中に数センチ挿入して十分に再振動を行えば、完全に一体化させることができるため、コールドジョイントは発生しない。
【正解】
(4)
【解説】
(1) 正しい: コールドジョイントの定義に関する正しい記述です。一体化しないまま硬化が進むことで、コンクリートの内部に文字通り「冷たい継ぎ目(弱点)」ができてしまいます。
(2) 正しい: コールドジョイント部はコンクリートが完全に一体化していないため、ひび割れと同様に水や二酸化炭素、塩化物イオンの浸入経路になります。そのため、構造物の耐久性・水密性を著しく低下させます。
(3) 正しい: 許容打重ね時間間隔に関する非常に重要な数値です。JISや各仕様書(土木学会、JASS 5など)で若干の表現の違いはありますが、原則として**「25℃以下 ➔ 2.5時間」「25℃超(暑中環境) ➔ 2.0時間」**という数字は共通の基礎知識として絶対に暗記してください。
(4) 誤り(これが正解): 下層のコンクリートにバイブレータを挿入して「再振動」を行うことは、コールドジョイントの発生を抑制・軽減するための有効な施工対策ですが、「凝結が始まっている(あるいは完了している)状態」では、いくら再振動を行っても完全に一体化させることはできません。 むしろ、硬化が始まりかけたコンクリートに無理な振動を与えることで、周囲の組織を破壊し、かえって品質を悪化させるリスクもあります。時間内に打ち重ねることが大原則です。
【要点チェック】
許容打重ね時間: 25℃以下 = 2.5時間 / 25℃超 = 2.0時間> * バイブレータは下層に 10cm程度 挿入するのが基本(上層と下層を馴染ませるため)。再振動は有効な対策だが、万能ではない(凝結が進みすぎたものには効果がない)。 現場の施工計画(コンクリートの打設ルートやミキサー車の配置間隔)を決める際、この「2時間 / 2.5時間」のルールから逆算して計画を立てます。試験でも非常によく出る数値ですので、しっかり頭に入れておきましょう!