コンクリート主任技士の試験対策として、今回は「配(調)合設計」の計算・択一分野から、小論文でも頻繁に登場する「再生骨材コンクリートの物性と品質区分(JIS A 5021〜5023)」に関する問題をお届けします。
循環型社会の推進に伴い、リサイクル骨材の特性や使用基準に関する出題が増加しています。クラスごとの定義と物性の違いをしっかり整理しておきましょう。
【問題】再生骨材および再生コンクリートの性質に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- (1) 再生骨材は、コンクリート塊を破砕・加熱・すりもみ等によって製造されるが、原コンクリートの付着モルタル(またはセメントペースト)が残存するため、一般に天然骨材に比べて表乾密度が低く、吸水率が高い。
- (2) JIS A 5021 に規定される「再生骨材H(高品位)」は、先進的な精製処理によって付着モルタルを十分に除去したものであり、これを用いた再生コンクリートHは、JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)に準拠した構造体用コンクリートとして特別な制限なく使用できる。
- (3) JIS A 5022 に規定される「再生骨材M(中品位)」を用いた再生コンクリートMは、天然骨材を用いたコンクリートと同等の耐凍害性および乾燥収縮特性を有するため、凍結融解作用を受ける過酷な屋外環境の構造物にもそのまま使用できる。
- (4) 再生骨材L(低品位)を用いた再生コンクリートLは、品質のばらつきが大きく構造体への適用が困難であるため、主として基礎割栗石、路盤材、または品質規定が緩やかな無筋コンクリート構造物などに限定して使用される。
【正解】
(3)
【解説】
- (1) 正しい: 再生骨材の根本的な物理的特徴に関する記述です。表面に残る旧モルタル(セメントペースト)は多孔質でスカスカしているため、水を多く吸い(高吸水率)、質量が軽い(低密度)という特徴を持ちます。
- (2) 正しい: 再生骨材H(High)に関する正しい記述です。高度な処理で吸水率を 3.0% 以下(天然骨材並み)まで落としているため、普通コンクリート(JIS A 5308)と同等の信頼性があり、用途制限を受けません。
- (3) 誤り(これが正解): 超重要かつ頻出の引っ掛けポイントです。再生骨材M(Medium)は、付着モルタルがある程度残っているため、天然骨材コンクリートに比べて「乾燥収縮量が大きく」なり、かつ「耐凍害性(凍結融解抵抗性)が低下」します。そのため、JIS A 5022 において、再生コンクリートMは「乾燥収縮の影響を受けにくい部位」や「凍結融解作用を受けない環境(寒冷地以外の室内や地下など)」に適用が限定されています。「そのまま使用できる」とした記述は誤りです。
- (4) 正しい: 再生骨材L(Low)に関する正しい記述です。破砕しただけの低品位な骨材であり、JIS A 5023 では構造用コンクリートへの使用を禁止し、路盤材や無筋用途等に限定されています。
要点チェック(再生骨材3クラスの比較):
- 再生骨材H(JIS A 5021): 吸水率 3.0% 以下。JIS生コン(JIS A 5308)に使用可能。制限なし。
- 再生骨材M(JIS A 5022): 吸水率 5.0% 以下(粗)/ 7.0% 以下(細)。収縮・凍害に弱いため、環境条件に制限あり。
- 再生骨材L(JIS A 5023): 吸水率規定なし。構造体には使用不可(無筋・路盤材等)。
再生骨材の物理的弱点(付着モルタルによる高吸水・高収縮・低耐凍害)は、記述式試験(小論文)での環境配慮型コンクリートの設問でも必須の記述要素です。