問題(環境)

コンクリートにおけるリサイクル材(再生骨材、回収骨材および回収水・スラッジ水)の品質規格、使用方法および留意点に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. JIS A 5021(コンクリート用再生骨材H)に適合する再生骨材Hは、高度な破砕・磨砕処理により原コンクリートのモルタル分を除去したものであり、JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)において普通コンクリートおよび舗装コンクリートへの使用が認められている。
  2. 再生骨材を用いたコンクリートは、普通骨材を用いたコンクリートと比較して乾燥収縮ひずみおよびクリープ係数が大きくなる傾向があるため、JIS A 5364(プレキャストコンクリート製品)において、プレストレストコンクリート(PC)製品には再生骨材(H, M, L)を使用してはならないと規定されている。
  3. JIS A 5308:2024 において、戻りコンクリート等から回収した骨材(回収骨材)を専用の設備で貯蔵・運搬・計量して用いる場合(B方法)、粗骨材および細骨材の目標回収骨材置換率の上限はそれぞれ20%とされており、普通コンクリート、舗装コンクリートおよび高強度コンクリートに適用することができる。
  4. レディーミクストコンクリート工場の洗浄排水から得られるスラッジ水は、JIS A 5308 において高強度コンクリートには適用できないが、安定剤を用いた安定化スラッジ水(B方法)として適切に品質管理が行われる場合、目標スラッジ固形分率の上限は6%以下まで許容されている。

【正解と解説】

正解:3

  • 選択肢1:適当
    再生骨材H(JIS A 5021)は、原コンクリートに破砕・磨砕などの高度な物理処理を施し、付着モルタル分を十分に除去した骨材です(絶乾密度 ≥ 2.5g/cm³、粗骨材吸水率 ≤ 3.0%、細骨材吸水率 ≤ 3.5%)。JIS A 5308 では、普通コンクリートおよび舗装コンクリートへの使用が認められています(高強度コンクリートや軽量コンクリートには適用できません)。
  • 選択肢2:適当
    再生骨材(H, M, L)は、天然骨材に比べて内部空隙や付着モルタル分を多く含むため、これを用いたコンクリートは乾燥収縮ひずみやクリープ係数が著しく大きくなります。プレストレストコンクリート(PC)製品に用いると、部材の短縮に伴うプレストレスの経時的損失(損失量)が過大になる恐れがあること、および高引張応力を受けた鋼材の防食性能が十分に確認されていないことから、JIS A 5364 ではPC製品への再生骨材の使用を禁止しています。
  • 選択肢3:不適当
    回収骨材を専用の貯蔵・運搬・計量設備を用いてバッチごとに管理して使用する場合(B方法)、粗骨材および細骨材の目標回収骨材置換率の上限をそれぞれ 20% 以下とすることができます(新骨材ベルトコンベヤへの添加によるA方法では 5% 以下)。しかし、JIS A 5308:2024 箇条9.6 d) において、「軽量コンクリート及び高強度コンクリートには、回収骨材を用いない」と明確に規定されています。したがって、高強度コンクリートに回収骨材を適用することはできません。
  • 選択肢4:適当
    スラッジ水は、セメント水和生成物等の固形分を含むため、水和反応や流動性への影響が大きく、JIS A 5308 において高強度コンクリートへの使用は禁止されています。一方、普通コンクリート等において安定剤を添加した安定化スラッジ水(B方法)として管理する場合、JIS A 5308:2024 では目標スラッジ固形分率の上限が 6% 以下まで許容されています(目標値が3%を超え6%以下の場合はスラッジ固形分の容積を配合に含める)。

💡 本日の重要チェックポイント

  • 再生骨材の区分と適用範囲(JIS規格)
    • 再生骨材H(JIS A 5021):JIS A 5308 の普通・舗装コンクリートに使用可。
    • 再生骨材M(JIS A 5022):乾燥収縮や凍結融解を受けにくい部材(基礎・杭等)。JIS A 5308 の生コンには不可。
    • 再生骨材L(JIS A 5023):無筋の均し・裏込め・間詰コンクリート等。JIS A 5308 の生コンには不可。
    • PC製品(JIS A 5364):乾燥収縮・クリープ増大によるプレストレス損失を防ぐため、再生骨材の使用は禁止。
  • 回収骨材(JIS A 5308:2024 箇条9.6)
    • A方法(新骨材へ添加):目標置換率 ≤5%(新骨材の配合補正は省略可)。
    • B方法(専用設備で計量):目標置換率 ≤20%。
    • 適用禁止:高強度コンクリートおよび軽量コンクリートには使用不可。
  • スラッジ水(JIS A 5308:2024 附属書JC)
    • 適用禁止:高強度コンクリートには使用不可。
    • 固形分率上限:安定剤なし(A方法)は ≤3%、安定化スラッジ水(B方法)は ≤6%。

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