コンクリート主任技士の試験対策として、今回は「配(調)合設計」の計算・理論分野から、午後択一の計算問題で合否を分け、かつ小論文でも頻繁に登場する「水セメント比(W/C)と単位水量の決定手順」に関する問題をお届けします。
耐久性・強度・耐久性設計の観点から水セメント比の上限値(限界値)をどのように設定し、目標スランプに応じた単位水量をどう決めるかのロジックは超重要です。
【問題】コンクリートの配(調)合設計において、水セメント比(W/C)および単位水量を決定する手順に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- (1) 圧縮強度に基づいて水セメント比を定める場合、セメント水比と圧縮強度の関係式(強度の関係直線)から、配合強度(Fcr)に対応する水セメント比を算出する。
- (2) 耐久性(中性化抵抗性や耐塩害性など)に基づいて水セメント比の上限値が定められている場合、強度から求めた水セメント比と耐久性から定まる上限値を比較し、いずれか大きい方の値を計画水セメント比として採用する。
- (3) 単位水量は、作業に適したワーカビリティー(スランプ)が得られる範囲内で、できる限り小さく設定するのが原則であり、同じスランプを得る場合、粗骨材の最大寸法が大きくなるほど単位水量は減少しやすい。
- (4) 凍結融解作用を受ける環境下にあるコンクリート(耐凍害性コンクリート)では、適正な空気量(4.5~6.0%程度)を確保するとともに、最大水セメント比の上限(一般に 55% 以下など)を守る必要がある。
【正解】
(2)
【解説】
- (1) 正しい: 配合強度の計算手順です。セメント水比(C/W)と圧縮強度の関係(Fcr=A+B・C/W)から、必要な水セメント比を算出します。
- (2) 誤り(これが正解): 超定番の引っ掛け問題です。コンクリートの設計では、強度条件から求めた水セメント比と、耐久性条件(塩害・中性化・凍害など)から定められた「最大水セメント比(上限値)」を比較した場合、安全側の設計とするために「いずれか小さい方の値(厳しい方の値)」を計画水セメント比として採用します。「大きい方の値」を採用すると、耐久性の要求を満たせなくなってしまうため誤りです。
- (3) 正しい: 単位水量の原則です。単位水量が大きいと乾燥収縮やブリーディングが増大するため最小限にするのが原則です。骨材の最大寸法が大きくなると、同じ容積あたりの骨材の表面積が小さくなるため、所要のスランプを得るための単位水量は減少します。
- (4) 正しい: 耐凍害性の配合条件に関する記述です。微細な独立気泡(エントレインドエア)による空気量の確保と、硬化体の組織を緻密にして吸水を抑えるための水セメント比の制限(55%以下)の両方を満たす必要があります。
要点チェック(配合設計の基本原則):
- 計画水セメント比: 「強度によるW/C」と「耐久性による最大W/C」の**小さい方(厳しい方)**を採用!
- 単位水量の抑制: 乾燥収縮・クラック防止のため、ワーカビリティーが得られる範囲で最小にする。
水セメント比は「小さければ小さいほど組織が緻密になり強度・耐久性が上がる」という大原則を頭に入れておけば、「厳しい方(小さい方)を選ぶ」という判断が自然にできるようになります。