コンクリート主任技士の試験対策として、今回は「配(調)合設計」の分野から、記述式(計算・論述)でも択一式でも合格の合否を分ける超重要公式「水セメント比(W/C)と圧縮強度の関係(セメント水比説)」に関する問題をお届けします。
強度の予測や配合の調整において、必ず用いる基本的な数式と比例関係のルールです。
【問題】コンクリートの圧縮強度と水セメント比(またはセメント水比)の関係に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- (1) コンクリートの圧縮強度(f’c)は、セメントに対する水の質量比である「水セメント比(W/C)」と反比例の関係にあり、一般にf’c=a+b・(C/W)(a,bは定数)という一次式で表される。
- (2) セメント水比(C/W)が大きくなるほど、セメント粒子間の距離が短くなり、硬化後のコンクリート内部の空隙(毛細管空隙など)が減少するため、圧縮強度は高くなる。
- (3) 同一のセメント水比であっても、使用するセメントの種類(普通、早強、高炉セメントなど)や骨材の品質、および材齢によって、得られる圧縮強度は異なる。
- (4) 配合設計において、目標とする強度を得るための水セメント比を決定する際、式f’c=a+b・(C/W)における定数a,bは、JISに定められた標準的な全国一律の数値をそのまま用いて計算しなければならない。
【正解】
(4)
【解説】
- (1) 正しい: 圧縮強度と水セメント比の関係を表す基本原則(ダフ・エイブラムスのセメント水比説)です。強度は「水セメント比(W/C)」と反比例し、「セメント水比(C/W)」と直線的な比例関係(一次式)になります。
- (2) 正しい: セメント水比(C/W)が大きいということは、相対的に水が少ない(W/Cが小さい)ことを意味します。水が少ないほど、硬化後に水が蒸発してできる内部の穴(空隙)が少なくなり、組織が緻密になるため強度が向上します。
- (3) 正しい: セメント水比説は同一の材料・養生条件において成り立ちます。セメントの銘柄や種類、骨材の強度・かみ合わせ、硬化させる期間(材齢)が変われば、当然強度の発現傾向は変化するため、定数(a,b)を調整する必要があります。
- (4) 誤り(これが正解): 定数aおよびbは、使用するセメントや骨材、プラントの製造管理状態に応じて試験練り(配合試験)を行い、実際のデータから最小二乗法などを用いて個別に決定するのが原則です。全国一律で決められた固定値を用いるわけではありません。
要点チェック(セメント水比説の整理):
- 水セメント比(W/C)と強度: 反比例の関係(曲線になる)
- セメント水比(C/W)と強度: 正比例の関係(直線f’c=a+b・(C/W)になる)
- 試験問題で「水セメント比と正比例する」や「セメント水比と反比例する」といった主語と述語の入れ替えがよく出題されるため、どちらが直線(比例)になるかを確実に整理しておきましょう。
配合計算の基礎となる非常に重要な数式です。グラフのイメージと合わせて、数式の意味をしっかり頭に入れておきましょう!