コンクリート主任技士の試験対策として、今回は「施工・劣化」の分野から、実務の打設現場で非常に重要な品質管理項目であり、試験でも細かな管理値や現象が頻出する「寒中コンクリート(初期凍害対策)」に関する問題をお届けします。
冬期の施工において、凍結からコンクリートを守るための「初期養生」や「所要の圧縮強度」の数値は、記述・択一ともに必須の超重要知識です。
【問題】寒中コンクリートの施工および初期凍害の防止に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- (1) 日平均気温が 4℃ 以下になることが予想される時期には、コンクリートが凍結するおそれがあるため、寒中コンクリートとして施工計画を立てる必要がある。
- (2) 寒中コンクリートの打込み時における温度は、部材寸法や気象条件に応じて、原則として 5℃ 以上、20℃ 未満の範囲に保たなければならない。
- (3) 初期凍害を防ぐためには、コンクリートが凍結する前に、一定以上の圧縮強度(初期養生終了時の所要圧縮強度)を得るまで保温養生を行う必要があり、一般的な構造物では一律で 10 N/mm² に達するまでと規定されている。
- (4) 凍結融解作用を繰り返し受けるコンクリートには、耐凍害性を向上させるために、適切な空気量を確保できるAE剤やAE減水剤を必ず使用する。
【正解】
(3)
【解説】
- (1) 正しい: 寒中コンクリートの適用基準に関する正しい記述です。「日平均気温が 4℃ 以下」が適用の目安となります。
- (2) 正しい: 寒中コンクリートの打込み温度に関する正しい記述です。低すぎると硬化が著しく遅れて凍結リスクが高まり、逆に高すぎると(20℃以上)急激な乾燥ひび割れや温度ひび割れを招くため、原則として「5℃以上、20℃未満」に管理します。
- (3) 誤り(これが正解): 非常に重要な数値の引っ掛けです。初期凍害を防ぐために必要な「初期養生終了時の圧縮強度(限界値)」は、一律10 N/mm²ではありません。土木学会示方書やJASS 5において、部材の露出状態や断面厚さに応じて「5 N/mm²」(または気象作用が激しい場合は10 N/mm²〜15 N/mm²など)に区分されて規定されています。最も基本的な「初期凍害を受けないための最低ライン」としては、まず「5 N/mm²」という数値を暗記しておく必要があります。
- (4) 正しい: 耐凍害性を確保するための大原則です。コンクリート内部の微細な空気泡(エントレインドエア)が、水分が凍結膨張した際の水圧を逃がすクッション(緩衝材)の役割を果たすため、AE剤等の使用は必須となります。
要点チェック(寒中コンクリートの基本数値):
- 適用基準: 日平均気温が 4℃ 以下
- 打込み温度: 5℃ 以上、20℃ 未満
- 初期凍害を防ぐ最低強度(初期養生目安): 5 N/mm²(この強度が出れば、1回凍っても致命的なダメージ=初期凍害を受けにくくなります)
「5 N/mm²」という数値は、配合強度の決定や養生計画を立てる試験問題(計算・記述)でもベースになる重要数字です。しっかり覚えておきましょう!